シロアリは、蟻道(ぎどう)というトンネルを作り、そこを移動しながら木材にかじりつき、必要な栄養素を取り込みます。蟻道は、狭く高温多湿で、しかも光を遮り、シロアリの非常に好む場所になっています。
そういうシロアリの性質から、カビのある所に、シロアリも発生すると思いがちですが、結論から言えば、カビとシロアリの発生には、関連性はありません。
確かに、カビの増殖により、木材が腐る恐れはあります。シロアリ対策と同時に、カビ対策を行えば、効率的な対策工事になるでしょう。しかし、それは、対象家屋の個々の状況に依存します。一般的に、カビ対策を施さなくても、シロアリ対策としては、十分な処置になります。
また、カビがあるということは、それだけ湿気が高いことであり、カビを防げば、シロアリの「発生確率」を減らすことはできますが、「発生不可能」にすることはできません。
代表的なシロアリは、土中から木材に侵入し、そうして、被害を増大させていきます。カビの発生は、主に床下の空気不循環から起こり、光の嫌いなシロアリがわざわざ土中や蟻道から出て来ることは、ほとんどあり得ません。
さらに、そもそもカビは、真菌類というキノコの仲間になります。カビの被害は、基本的に木材の変色であり、専門用語では、表面汚染菌と呼ばれています。シロアリの誘因物質を導きだす、腐朽菌は、カビと同じキノコの仲間になりますが、木材の成分であり、かつ、シロアリの栄養素でもあるセルロースを分解します。つまり、カビと腐臭菌の最大の違いは、木材の「表面を変える」か、木材の「芯を腐らせる」かにあります。どちらが、家屋の問題になるかは、お分かりいただけるかと思います。
床下は、もともと高温多湿であり、通常の状態でもカビが発生します。そのため、多少のカビでは大事には至りません。
仮に、ある業者にシロアリ検査を行ってもらい、カビ対策を強調しているようなら、別な業者にも調査を依頼し、できるだけ複数の業者の見積もりを比較検討することが大切です。悪徳業者の手口として、シロアリ駆除工事費にカビ対策や処理費を上乗せして、高額な請求をすることが主流になっています。
また、現在は、インターネットにおいて、多くの情報を調べることができます。我が家を守るためにも、自らの正しい知識を増やしていくことも、重要です。